コラム

2010/04/24

農業を挑戦の場に(山梨・TT)


▼最近のニュースで、何かと農業が注目されている。田舎暮らしに憧れて自給自足の「ロハスな生活」、不況と戦い新たな挑戦として「農業参入を考える建設業」目的は色々だが農業に関する話題はよく耳にする

▼過疎化や遊休農地の解消に、積極的な取り組をしているまちによると、休暇を利用して訪れた観光客が、あの時に見た風景が忘れられず、退職後に移住してくる。行政の取り組みに効果が現れたのか、少しずつだが人口が増えているようだ

▼しかし、担当者は「人口が増えていることは喜ばしいのだが、数年すると住み慣れた都会へ戻るケースも多い。田舎は想像していたよりお金が掛かり、近所付き合いも大変だ」と話す。夫婦二人で自給自足するにも苗の買い付けや肥料と、たかが二人分とは言ってもホームセンターに足しげく通う。細々と園芸用品を買い、ガソリン代に―と思っても、経費がかさみ現実は厳しい

▼一方、ある町の首長は、建設業の帰農について「一人二人が農業に転業して成功したものを大きく捉え、誰でも成功するような取り上げ方をしている。その成功者は始めから農業に興味があり趣味でもあったかもしれない。少数の成功例を誰でも簡単に儲けられるような様子で投げかける国に疑問だ」と声を大きくして話す

▼社会の変化を受け入れ農業を見直し挑戦することは、日本にとって重要な取り組みかもしれないが、農業・地域関係者との関係構築、販路の確保、資金調達など課題は山積みだ。異業者への転換を進めるならば、まず行政が豊富に知識を高め、補助金制度などの準備を整える必要があるのではないか。(山梨・TT)

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