コラム

2010/04/27

地震に対する必須な心構え(茨城・HS)


▼今年1月のハイチ、2月のチリに続き、4月14日には中国青海省で被災した。マグニチュード(M)7・1の大地震。2年前の四川大地震はまだ記憶に新しく、その時ほどでないにしろ、また多くの人が命を落とした

▼専門家によると、日本と同じく地震多発国の中国では、M7クラスの地震は3年に2回程度の割合で発生しているそうだ。しかも、全世界のM7以上の大地震の35%は中国で発生し、世界の地震による死者の50%を中国が占めているという

▼大地震が起きた時に必ず取り上げられるのが、軟弱な建物の倒壊だ。四川大地震の時も、それで多くの生徒や教師が犠牲になった。今回も現地の学校の70%が倒壊し、やはりがれきの下に生き埋めになった人が多い。既に2000人を超す死者がでている。残念ながら前回の教訓は活かされず、悲劇が繰り返されてしまったわけだ

▼今日、各自治体は校舎の耐震化に追われている。市町村の教育委員会へ取材に行くと、判定委員会の順番待ちで、まだまだ工事は白紙だと愚痴をこぼされたこともあった。しかし、総じて担当者は耐震化の重要性を理解しており、時間がかかってもしっかり進めていく―と口をそろえる。問題は資金だが

▼地震は突然やってくる。こないかもしれないし、深夜にやってくる可能性もある。だが、備えることはいつでもできる。建物の耐震化がすぐにできないのなら、いつでも避難できる心構えだけはしっかりと持っていなければならない。それが被害を最小限に留めることにつながる。地震と一生付き合わなければならない日本で生きるには、そうした確かな知恵が必要だ。(茨城・HS)

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