コラム

2010/05/13

地域は自からつくる(埼玉・YW)


▼前原国土交通大臣がお金をかけない公共事業で、パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)を広く国民と共に根付かせる発言をしきりにしている。先日テレビでもその真意を発言していた

▼同様な発言は各首長も口にする。2月には川の再生合同竣工式で上田・埼玉県知事と岡村・川口市長が、「何でも役所に任せるのではなく、地域が主体となり自らできることは何かを考え積極的に取り組んだのが今回の川の再生」と賞賛し、地域が維持管理に協力していることに感謝している

▼アメリカのケネディ大統領の伝説の就任演説では「国民よ、合衆国に求めるのではなく、その前に合衆国のために自らは何ができるのかを考えてください」と述べている。宗教的な教えが根本的にはあるのだが、キリスト教など欧米の他への慈愛の精神、ボランティアは当たり前。わが国のようにボランティアを売り込むことなどはそもそも恥ずかしいと教えられている

▼世界でも最難関大学として君臨するハーバードの、ある年の入学試験はたったの1問だけである。「これまでの経験したボランティアと考えについて述べよ」。つまりボランティアは宗教の教えで当たり前だから平等に誰でも書けるという前提の出題なのだ

▼今後の公共事業は地域に自らが関わるという事業が主となる。欧州各国は自由と平等、友愛の3色旗が国旗に多いことで分かるように、そうした公共理論、奉仕の精神が当たり前に根付いている。特に「公共理論」が欠如している日本にとって、自ら関わるという精神が根付くのか疑問符だが、そこは期待したいところである。(埼玉・YW)

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