コラム

2010/05/18

人気のオークション(茨城・HN)


▼オークションサイトが人気を博している。自分の欲しかったものが見つかるとあって、日本ではヤフーをはじめビッダーズ、楽天などが有名。扱う商品も増加の一途で、昨今では大型重機なども対象。日本の中古建設機械が需要旺盛な海外にオークションで売られている

▼ことし1月、世界的な産業機械オークション会社「リッチーブラザーズ・オークショニアーズ」が、日本国内でサービスを開始した。従来は年度末の時期に余ることも少なかったレンタル用の建設用機械も、昨今は半分近く使われていない。一方で、海外業者は性能の良さで定評のある日本製の機械を求めていた。オークションは、そんな需要と供給で成立

▼これは日本の景気とって良い話なのだが、どうも手放しで喜べない。そうした背景には日本の公共事業が削減されている状況があるからだ。予算縮小で建設機械の出番も減少しているため、レンタル会社は中古建設機械をオークションに出品するしかない

▼日本政府は「大手ゼネコンには海外で技術力を発揮してもらい、残った地元業者が内需拡大を図る」という方針を打ち出している。だが、オークションのような例が現状。国内での需要が無い中、海外需要、すなわち外需からの恩恵を受けているというのが実態なのである

▼オークション会社のような商売は、これからも売り上げの伸びが期待できるだろう。しかし、中古建設機械の外需はいつまで続くか誰にも分からない世界である。やはり最終的には内需拡大の考えに向くわけだが、肝心要の政府へ期待が薄らいでいる。政治や景気動向を慎重に見極める必要がある。(茨城・HN)

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