コラム

2010/05/21

低価格のままで良いのか(茨城・MK)


▼「最近のお客さまは、質ではなく価格でモノを判断する傾向がある。本当の努力による低価格であれば問題はないのだが、粗悪な商品を探して低価格で納品してしまうので、次からは低価格だけが一人歩きしてしまう」

▼これは茨城県内のある商店街の代表者の声だ。県が今年3月に行った景気ウォッチャー調査に寄せられたコメントである。デフレスパイラルといわれる昨今、多くの業界で頭を痛めている課題でもあろう

▼この景気ウォッチャー調査は、建設業や小売業などで働いている300人に景況感を聞いたもの。3月の景気の現状指数(DI)は41・8。景気が「良い」と「悪い」が同じ場合はDIが50なので、まだ「悪い」と感じている人が多いことを示している。しかし前回調査(昨年12月)の33からは改善しており、少しは回復基調にあると言えそうだ。3カ月先の見通し指数(DI)は44で、前回の34・8からは上昇している

▼もっともデフレ傾向は続いている。だが、このままで良いのか。ある経営者が意見を寄せていた。「何から何まで安ければ良いということが、すべての産業に広まってしまうと、お互いに貧しくなることはあっても、消費者を含め(皆が)豊かにならない、というのが経済の法則」と

▼意見には「景気刺激策を積極的に行ってほしい」とするものもあった。こんな意見はどうだろう。「話題性のある商品は、今まで以上にロングライフで売れる傾向が強い。お客さまは新しい物や情報には今まで以上に関心が高く、売り手の提案次第で売り上げも変わる」。何を、どのように売り込むかが問われている。(茨城・MK)

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