コラム

2010/05/22

エコ住宅への転換(新潟・YY)


▼住宅版エコポイントの制度がスタートした。関心も高まる中、前原国土交通大臣は、住宅版エコポイントの拡充方針とともに、省エネ基準への適合を将来的には新築住宅などへ義務付ける―としている

▼環境に優しい住宅へと聞き、新潟県小水力発電取組検討研修会での上坂博亨・富山国際大学教授の講演を思い出した。住宅のエネルギーロスを最小限に抑えるため、徹底した断熱に取り組んだというデンマークのすばらしい事例である

▼デンマークのエネルギー自給率は1972年当時2%だったがオイルショックをきっかけにエネルギー供給法を制定、「エネルギー計画1976」を策定した。北海油田の開発、発電余熱と天然ガスを利用した給湯計画の実施、補助金制度を導入した省エネ奨励、エネルギー税の導入―に力を注いだ。その結果、2000年代には一転、エネルギー輸出国となり、現在の自給率は160%ほどだという

▼自給率アップは開発により産油国となったためとも言えるが、もともと環境問題に対する関心が非常に高く、早くから国民の意識改革が進み、自然エネルギーや再生エネルギーへの関心が国全体で高まった事も大きな理由の一つらしい

▼対して、日本はどうだろう。デンマークが30年以上も前に歩み始めた省エネへの道のりのスタートをやっと切ったと言ったところ。現在、日本のエネルギー自給率は4%(2004年)、原子力を国産エネルギーとしても18%にとどまる。資源の乏しいこの国で、エネルギーロスを最小限に抑える努力は、取り組まなければならない最初の第一歩ではなかろうか。(新潟・YY)

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