コラム

2010/05/25

渋滞も楽しく有意義に(茨城・KS)


▼年に一度のゴールデンウイークもあっという間に過ぎ去った。特にことしは日並びも良く、天候にも恵まれ、また高速道路は1000円乗り放題のETC割引が最後の機会とあって、ここ数年では最大の渋滞が各地で発生した

▼しかし、負のイメージが付きまとう「渋滞」も、最近ではどうやら各々の心持ちに変化が生じているらしい。とあるニュース番組のリポートでは、渋滞中の過ごし方は「寝る」「しりとり」「DVD鑑賞」「音楽鑑賞」のほか、話題の「ツイッター」などさまざまだが、約半数が「楽しく過ごせる」と笑顔で答えていた。のんびりといつもと違う環境を楽しんでいるのだろう

▼娯楽手段の多様化のほか、これまでの単なる臨時休息所から進化したサービスエリアの影響も大きい。各地元の特産品を使用した多種多様なグルメを展開しており、実に楽しめる。サービスエリア自体がエンターテイメント施設となって、目的地と化す傾向もある

▼また、車内という限られたスペースでは、否が応にも会話が生まれる。しかも目を見ないからこそ自然と気軽に胸の内を開けられるようだ。例えば、夫婦間で子供の将来や仕事のこと、父と娘の間では娘の彼氏のことなど、普段あまりしないような会話が進んで、家族の絆が強まっている。交通渋滞が大切な人との間の「心の渋滞」を解消している

▼渋滞は、現代人が忘れかけていた大切なことに気付かせてくれているのかもしれない。どんな逆境でもそこにプラスの要素を見出していく。その気概が明るい未来を築いていくはずだ。発想の転換は、今こそ求められる手法かもしれない。(茨城・KS)

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