コラム

2010/05/29

もうすぐ第一子誕生(群馬・AN)


▼私事で恐縮だが、昨年の今ごろ新婚生活がスタート。実家から歩いて5分とかからない場所に住んでいる。そのためか、実家の母が何かにつけて頻繁にわが家を訪れる。時には野菜を持ち、時には手料理をといった具合だ

▼父は8年前に他界した。59歳という若さだったが、人生それなりの楽しさと苦労を歩んで旅立ったと思っている。筆者は3人兄弟の長男。弟2人もすでに実家を離れ、1人身という自由気ままな暮らしを満喫している。父も子どももいない家で、母は1人で生活。そのため、近くに住んでいるわが家へ何かと理由をつけては訪れ、寂しさを紛らわしているようだ

▼もうすぐ第一子が生まれる。新生児用の組布団、衣類の準備、命名といった日々で忙殺されている。最初の子とあってか、インターネットや書籍などを利用し、さまざまな情報を探しては迷わされる毎日。しかし、そんな日々もあと数日で終わりを迎える

▼「子どもよりかわいいものはない」と母。父も生前、同じようなことを口にしていた。だが昨今、実の親がわが子の命を奪う事件が相次いでいる。父が生きていれば、これら痛ましい事件に心を痛めたに違いない。それは母、そして筆者と出産を控える妻も同じ心境にほかならない

▼筆者の少年野球チームでコーチを引き受けていた父。毎朝、手製弁当を欠かさず持たせてくれた母。わが子の誕生を心待ちにしている今、ようやく自立できそうな自分がいる。父の墓前をたまには訪れ、そして母との会話を楽しもう。それが生んでくれ、育て愛してくれた両親への感謝のしるし。親を見て育つ子。それが実感できる日が近い。(群馬・AN)

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