コラム

2010/06/04

参院選挙後の空模様(茨城・HS)


▼夏に行われる参議院選挙に向けて、各党の動きが活発さを増している。与党は政権安定を目指し、野党は政権奪取の足掛かりとするため、擁立候補の選定に大忙しだ。ミニ政党乱立ブームもあり、その結果次第では今後の政局が一変する可能性もある

▼そしてやはり今回も、比例区恒例の「有名人担ぎ」が話題を呼んでいる。少し見渡しただけでもタレントから元スポーツ選手、中には現役メダリストまでという豪華な顔ぶれが並ぶ。知名度の高い候補はそれだけで宣伝となるから、無党派層へのアピールも期待される。得票率増加を図るには実に合理的な戦略だ

▼立候補の要請を引き受ける人がいれば、逆に断る人もいる。国民栄誉賞まで受賞した元マラソン選手は「政治の勉強をした人が国民の代表になるべき」と、与党からのお誘いを断ったそうだ。勧誘する方の倫理の問題はさておき、なんとも文句のつけようのない正論だ

▼良識の府と呼ばれる参議院には解散がない。一度当選してしまえば、6年間の任期が保障される。もちろん、政党の公認を受けるのだから、立候補する人には政治家としての資質があるのだろう。選挙公報やポスターだけでその人物の人となりを知るのは難しいから、演説や集会などがあればできるだけ足を運んで主義主張を把握したい

▼本当に求められている人材が国政に参加できなければ、国家的な損失では。だからこそ、有権者は自分の一票の重みを十分理解して投票する必要がある。今年は天候不順に悩まされることが多い。はたしてこの夏、スカッとした青空を見ることができるのだろうか。我々の一票による。(茨城・HS)

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