コラム

2010/06/22

言いたくても言えない事(東京・JI)


▼通常国会が終了した。新政権初の当初予算や地域主権関連法案など重要な審議が幾つもあり、民主党女性議員の転倒事件もあった。最後に首相交代という事態に至るなど、まさに「飽きない」国会だった。民主党も自民党もリーダーの資質が問題視された。内部関係者も、所属する党のトップに対して批判を言うに言えない状況だったのではないだろうか

▼さて、国会を取材する際に必ず行く食堂がある。購入した食券をカウンター越しに手渡し、トレーに乗った料理を受け取る普通の食堂だ。決まってライス大盛りで定食を注文するのだが、大盛りは「やや多め」という程度。日頃から不満を持っていたが「もっと多く」とはなかなか言いにくい

▼先日も同店で食事していると、若い男性が大声で「超大盛り」と注文していた。おそらく自分と同じ不満を持っていたのだろう。周囲の客が注目する中で、彼の茶碗には白飯が山のように盛られていた。なるほどそんな方法があるのかと感心し、次回は真似することにした

▼しかし、実際には言えなかったのである。「超大盛り」という言葉、特に「チョー」が若者ぶっているようで恥ずかしくて口に出せない。結局いつものように「大盛り」に甘んじてしまったのだが

▼ところがである、この時は白飯の担当が普段と違う女性。彼女は茶碗に白飯をぐいぐい押し込み、あっという間に山盛りに。さらに上乗せしようとするので、驚いて「もうそのぐらいで」と言うと「まだまだ」と制止を振り切り、最終的に「超大盛り」を作ってしまった。先日の若い男性のように、今度は自分が多くの客の視線を集めていた。(東京・JI)

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