コラム

2010/07/10

ものづくりの方向性(新潟・SS)


▼iPhone4が先月発売され、新たな機能や販売価格が話題になっている。これで再び耳にするようになったのが、国産携帯電話のガラパゴス化という言葉。iPhone4を筆頭にした海外主流の携帯電話に対して国産携帯は「ガラケー」といった皮肉な呼び方をされている

▼世界標準が国内規格を淘汰した例としてパソコンがある。かつてNECのPC98シリーズなど国内規格のパソコンが普及していたが、マイクロソフトがWIN3・1を発売した頃から、PC98専用ソフトとWINDWSのソフト両方動く機種が発売されたりもした。WIN95が発売された頃ともなると、PC98シリーズのソフトウェア資産を背景とした優位性は薄れ、国内規格のPCは終焉を迎えた

▼もちろん今後、国内携帯電話が世界の規準に従うのか、更なるガラパゴス化を突き進むのかは分からない。携帯電話の技術は今でもトップクラスなのに、売れる商品を世界に送り出すシステムが出来ていない。これは技術の問題というよりは経営の問題なのだろうが、技術では勝っているのに、世界標準になれない理由は、高性能・多機能へのこだわりが障害になっているように思う

▼高性能で多機能の製品を作る。これで日本は経済大国になったのだが、いくら優れたものを作っても必ずしも売れるとは限らない。全ての人が高性能で高額な商品を必要としている訳ではないことを忘れてしまっているのかもしれない

▼大変便利なワンセグやお財布機能は人によっては全く不要かもしれない。高性能・多機能だけではなく、削ぎ落とす勇気も必要なのかもしれない。(新潟・SS)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら