コラム

2010/07/22

組織と議論のあり方(群馬・AN)


▼先日、電車に乗り、ふとドア付近を見上げたところ「ひらくワキにご注意ください。混雑時、急接近する場合があります」といった制汗剤の広告があった。これは、洗剤やヘアケア・スキンケア製品の製造販売を手がける広告だ。ドア付近に注意を促す文言をコミカルにもじっていて、思わずクスッと笑ってしまった。これを考えるには、社内で相当の議論が交わされたに違いない

▼テレビで、ある東証一部上場企業の社長が「会議で物事を決める際、ある程度の人数で行った方が良い」と言っていた。人数が多ければ多いほど、出される意見が多い反面、結論に至らないケースも多いのだという。確かに、人それぞれの個性が意見の相違を生む

▼自分の意見を通すだけ通し『納得しないから』といった理由から、会議そのものを壊す事例も少なくない。納得する、納得しないは大切なことだが、他人の意見にも配慮しなければならない。その行為の行く末は、組織の弊害に他ならない

▼「組織とは何か」と県幹部に尋ねたことがある。その県幹部は『組織とは階段』と称した。中にはその階段を飛び越し、意見や提言を行う職員もいるようだが「そういう職員は、組織では生きていけない」とバッサリ

▼中小・零細企業には、簡単に飛び越せる階段が多い。しかし、その1段をしっかりと見極め経営判断しなければ、組織は破壊する。『議論に垣根は必要ない』との声もある。しかし、ライオンが掲げた、この広告も1段1段の組織の集まりが適正に働いたからこそ、人を引きつけるフレーズに仕上がったはず。まさに、1段1段の積み重ねの結果だろう。(群馬・AN)

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