コラム

2010/07/24

ラジオからの風景(山梨S・A)


▼テレビ番組の中で、番組の合間を支える10分程度のミニ番組を、良く目にする。ラジオでも、そんな番組が数多くある。中でも、NHK・FMで現在放送している「音の風景」という番組をご存知だろうか

▼これは、1985年の放送開始から、今年で何と25周年の長きに渡って放送している5分間の番組。番組の内容は、全国各地の祭や乗り物、動物の鳴き声など、様々な音でテーマを表現する長寿番組だ。。日常の何気ない状況を、絵のないラジオから流れる音をたよりに、頭の中で独自の映像を楽しむことができる

▼判りやすく番組を例えるならば、「ゆく年、くる年」の鐘のなる状況を伝えるラジオ版、といったところだろうか。この番組を、たまたま運転中に聴き、放送事故かとも思える、やや不思議な気持ちになったが、しばらく聴いて考えが変わった。それは、音も、写真などと同様に、その時代に残る貴重な文化であるということだ。それから、この番組は深夜にも放送しているので、狙って聴くようになった

▼特に、印象に残っているのは、青函連絡船の風景だ。乗客と乗務員との会話と、汽笛の音で、目を閉じるとその場に居る雰囲気を味わえる。現在は、過去に放送したアーカイブスも放送され、現在には存在しない「音」も楽しめる

▼ラジオは、現在進化中の3Dテレビや、インターネット、携帯端末の普及により、やや影を潜めつつあるが、仕事などに集中しながらも、手軽な情報収集が売りだ。今後は、首都圏で試験中のインターネットラジオ「ラジコ」の普及などにより、災害時などにも欠かせない情報ツールと進化するだろう。(山梨・SA)

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