コラム

2010/07/29

電気自動車、競争の時代へ(埼玉・RW)


▼電気自動車(EV)が大手、中小企業を問わず競争の時代に入った。10年前に比べ性能が格段にアップ、価格の低下傾向も競争や普及の要因になっている

▼価格に高止まり感のあるガソリン車は、二酸化炭素の排出などで、地球環境に大きな影響を及ぼしてきた。その解消として登場したのが、世界的に原油資源の枯渇が予想されるなか、次世代のエコカーの切り札である電気自動車であった。開発の歴史は古いが生産単価や販売価格が高いため普及には遠く及ばなかった

▼電気自動車はガソリン車に比較して、騒音が少なく走行経費も安く、部品交換も容易だし、二酸化炭素や大気汚染物質の一つである窒素酸化物も出さないなど良いこと尽くめだ。韓国ではゴルフカートメーカーが大幅に販売価格を安くして、家庭用電源で充電できる2人乗りEVを販売、日本でも販売実績を伸ばす。インドの超小型EVは英国でお手ごろ価格が反響を呼びシェアが拡大。中国ではインド同様の超小型EVが急速に普及

▼EVの大幅な生産拡大に伴い、主要パーツの高性能リチウムイオン電池を大量に生産する電機メーカーは新たな雇用創出に期待がかかる。一策だと思うが、建設産業からの異業種参入が容易になる大幅な規制緩和ができれば、建設産業の前途にも道が開け、明るい見通しになるだろう

▼エコカーのエースとは言え、充電容量が限られ、充電に時間がかかる欠点もある。もっと恐いのは、あまりにも静穏のため、歩行者が接近に気づかない問題も悩みの種だ。日本で普及するには、まだまだ販売価格が高い。こうしたネックが解消されれば期待は大きい。(埼玉・RW)

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