コラム

2010/08/11

旗印に「ダムのすすめ」(群馬・AN)


▼今年もゲリラ豪雨が、九州地方から西日本、関東甲信越地方と広い範囲で猛威を振るっている。それとともに発生する落雷も頻発。気象情報では北海道と沖縄を除く、すべての地域に雷注意報が出される日があるなど、まさに熱帯化を象徴している

▼昨年9月に民主党が政権を獲得して以降、初の全国規模の国政選挙となった第22回参院選では、民主および国民新党の連立与党が非改選議席を含め、参議院の過半数を割り込み大敗した。決定的な敗因は『総理のぶれ』との見方が多い

▼その参院選では、消費税の引き上げが最大の争点となり、各党とも自論を展開。しかし、八ッ場ダム問題を抱える群馬県では各党の消費税論争により、八ッ場ダムの問題に対する関心の低下を懸念する声が地元を中心に広がっていた

▼多発するゲリラ豪雨により、河川の氾濫や土砂災害といった人命・財産を失う恐れが日に日に高まりつつある。八ッ場ダムは、長野原町に計画される多目的ダムだが、昨年の政権交代により、本体工事の入札手続きが凍結。その結果、開札延期となり、地元は大いに反発した

▼1都5県の知事は先月27日、前原国土交通大臣へ八ッ場ダム建設にかかる負担金の留保に関する申し入れを行った。八ッ場ダムとは、どんな理由から建設が計画され、どのような紆余曲折があって現在に至ったのかを知る人はあまり多くない。脆弱な地形に立つ日本列島。ダムというと環境破壊といった悪いイメージが付きまとうが、ゲリラ豪雨が多発する昨今、そのイメージを払拭する時を迎えている。これからは『ダムのすすめ』といった戦略・旗印も悪くない。(群馬・AN)

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