コラム

2010/08/19

順位なんて気にならない(東京・JI)


▼週末は0歳の娘をベビーカーに乗せて散歩する。近所の人に会うことも多い。女房によると「どんなに暑い日でも嬉しそうにベビーカーを押している」と評判になっているらしい。元気に歩き、元気に挨拶しているだけなのだが、その姿は『娘が生まれて浮かれている父親』に見えるようだ

▼浮かれているのは女房も同じである。毎日のように「腕が可愛い、足が可愛い、尻が可愛い、目が可愛い、全部可愛い」と誉め上げ、最後には「日本の0歳児で一番可愛い」と断言。必ず同意を求めてくるので「間違いない」と答えると満足している。聞き流そうものなら晩飯の盛り方が少なくなる

▼「一番」で思い浮かぶのは蓮舫行政刷新担当大臣である。昨年の事業仕分けで「一番じゃなきゃダメですか」と切り込む姿は賛否両論、大きな話題に。このセリフをそのままタイトルにした書籍も発行。しかし最近になって一番を目指すのは当然との発言もしているようだ

▼たまたま通りかけたラーメン屋が「東京で2番目に美味しい」と看板を掲げていた。気になって入ると、何のこだわりも感じない店内で昼時なのに客が少ない。ラーメンは普通の醤油味で、いまどき珍しいナルト入り。アクの強い個性的なラーメンが溢れる中で、極めて地味である。しかし『これが東京のナンバー2』と思いながら食べると、本当にそう感じてくる

▼暑い夏に熱いラーメン。食べ終わる頃には汗が吹き出し、この味が何番かを気にする心は消え失せた。もう順位はどうでも良い。0歳の娘も、女房が主張する日本一でなくても良いのである。おそらく東京で2番目くらいの可愛さだ。(東京・JI)

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