コラム

2010/08/28

動物の食害について(山梨・TH)


▼山梨県富士吉田市の富士急ハイランド周辺で、従業員がツキノワグマを発見した。通報で駆け付けた警察署員らが捕獲しようとしたところ、隣接するホテル敷地に逃げ込み、木に登ったまま下りず、現場付近は騒然となった。クマは、一度捕獲されたことを示す衛星利用測位システム(GPS)のタグを着けていたため3、4歳のオスと判明した。山梨県内ではクマの目撃者も相次いだ。春に寒い日が多く、餌となる木の実が不作だったため、山での餌不足が原因の一つと言われている

▼近年、ニホンザル、ツキノワグマ、イノシシなどの野生動物による農作物への被害が増加。その中でも、山梨県を代表する農産物であるモモやスモモなどの果実や果樹への被害が深刻な状況だ

▼特にイノシシによる果樹被害は、哺乳類による果樹被害の半分近くを占める。イノシシによる果樹被害への対策としては、有害鳥獣駆除や簡易電気柵で果樹園を囲うなどの方法がとられている。しかし、ある程度の効果をあげている地域もあれば、効果があまり見られない地域もあるなど様々

▼そこで必要なことは、まず被害状況の把握と、動物自体を把握すること。被害の発生状況、出没時間を知ることが重要だ。イノシシは夜行性の動物だと思われているが、本来は日中に活動する動物。人間の影響の少ない場所では昼間だけ活動する

▼野生動物が増加している要因は、実は人間にある。放棄した果樹園は放棄後も、果実がなり、また下草も生え、格好の餌場となり隠れ場にもなる。むやみに森林を伐採したり、動物の住めなくなる環境にしてしまったツケが今、出ている。(山梨・TH)

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