コラム

2010/09/30

本当の成功とは(群馬・AN)


▼好きな仕事に出会い、その仕事にやりがいを感じながら働いている人はどれほどいるだろうか。景気回復については一部の企業で見られるものの、地方では、そういった実感はまだまだ。それは、厚生労働省がまとめた来春卒業予定の高校生の求人倍率でも明らか

▼群馬労働局が発表した7月末時点の求人受理状況をみると、建設業は前年同期と比べ、27・3ポイントも減少。同局では「昨年以上に公共事業の削減が多く、採用計画が立たない企業がみられた」と分析しており、今も続く業界の厳しい現状が露呈している

▼高崎市制110周年を記念し、市内の建設関連団体との共催による『土木・建築フェア2010inたかさき』が9月19日、もてなし広場(旧市庁舎跡地)で開催された。このイベントは建設車両の試乗や資機材の展示といったことを通じ、社会基盤整備の重要性を広く周知するとともに、土木・建築業に対する理解を深めるためのもの。当日は多くの親子連れが各種のイベントを楽しんだ

▼その開会式で高崎市長はあいさつで、建設業の果たす重要な役割を改めて強調した。「素晴らしい公共施設を建設してきた諸先輩方と同様、今後も新たな技術で引き続き、この高崎のまちづくりに尽力賜りたい」と述べたのだ

▼もてなし広場の近くには高層の現庁舎が建ち、高崎市の歴史には欠くことのできない音楽センターもある。先人の残した素晴らしい公共施設が見守る中、同フェアの開催で地域に貢献する建設業の誇りが親に伝わり、将来を担う子供達の心に建設業の楽しさが響いた時にはじめて、本当の成功と言えるのだろう。(群馬・AN)

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