コラム

2010/09/14

デフレ戦争の行く末(茨城・KS)


▼格安航空会社専用の空港として今年3月に開港したばかりの茨城空港にこのほど、中国の「春秋航空」が就航し、茨城―上海間の運賃4000円という破格値を打ち出した。同社はさらに低コスト目指し、前代未聞の立ち乗り席も計画しているというから驚愕だ。見渡せば世の中あらゆる所で低コスト化が進み、デフレ戦争が激化している。いったい日本経済はどうなってしまうのか…

▼飲食業界では、牛丼戦線が泥沼化の様相。すき家、吉野家の二大勢力に加え、松屋も参戦。並盛り一杯250円まで下がり、低価格競争はとどまることを知らない。そしてファーストフードの王様、マクドナルドはかつて同店一の贅沢メニューだったビッグマックを200円まで引き下げた

▼また、ファッション分野ではユニクロを筆頭に西友、イオン、ダイエーが1000円を切るジーンズの販売合戦を展開。数10万円もする、色あせて穴が開いたボロボロのジーンズをこぞって求めていた90年代のヴィンテージブームが懐かしい

▼3月にフランスの芸術文化勲章の最高峰「コマンドール(司令官)」を受章したタレントの北野武氏は、産経新聞のインタビューでこう憂える。「服でも食べ物でも、安売りの品だけを買ってたり、安くて早くてという所に並んでばかりだと、絶対上に上がれない。3回食べるのを我慢して1回にしなさい。その代わり1000円のやつをゆっくり食う。服も同じ。昔の教育はそれを教えてた」

▼日本政治を指揮統制する総理大臣、またその補佐官らは、北野司令官の言葉に耳を傾けて、知恵を生かしてみてはいかがだろうか。(茨城・KS)

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