コラム

2010/09/28

コンプライアンスの重要性(茨城・MK)


▼「コンプライアンス」。耳慣れない言葉だろうか。企業経営で法律を守るだけでなく不祥事を未然に防いだり商品やサービスの安全性を守るという倫理的な問題にも責任を持って対応していくこと。近年注目されているテーマでもある。建設業を対象とする研修会が開かれたので取材した

▼研修会で建設業適正取引推進機構の講師が問いかけた。なぜ今、コンプライアンスなのか。理由はいくつかある。まずは日本人の意識の変化。昔から集団的な考えに同調する傾向が強かったが、それが変わりつつある。グローバリゼーションによる競争の激化、情報化の進展もある。会社法が施行され、独占禁止法も改正された

▼コンプライアンスを理解するのに分かりやすい例は、不祥事の際に企業が被るリスクだろう。平成17年に公正取引委員会から勧告を受けた橋梁談合事件でA社は課徴金など約18億6400万円を支払った。2000年ごろから中国製肉まんに未承認の添加物が使用されていた事件では、株主代表訴訟で旧経営陣に加盟店への営業補償など約106億円の賠償が確定している。事件によってブランドイメージも大きく失墜する

▼では対策で大切なことは何か。講師は「この約10年で国民の意識が大きく変わったことを、まず認識してください。うちの業界は他の業界とは別、という考えは通らない時代です」という

▼最後に講師は「コンプライアンス経営が、顧客の信頼を得て自社の発展につながり、結果的に全社員の幸福にもつながるという信念をもってください」と結んだ。難しいテーマだが、昨今避けられない大切な内容に違いない。(茨城・MK)

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