コラム

2010/10/13

「てにをは辞典」とは?(埼玉・HS)


▼あるラジオ番組で「てにをは辞典」を紹介していた。著者は以前、校正の仕事をしていて、いろ

いろな原稿を見ていくなかで「が」「を」「から」「に」などの助詞や「語り継ぐ」「歓談する」な

どの動詞の使い方などを確認できる辞典が無いので、自分で創ったそうだ。3万5000項の見出し

語が掲載されており、小型辞書の約70%に及ぶ言葉の『言い回し』が載っている

 

▼たとえば「効果」という言葉で普通の辞書を引くと、治療の効果があがる、効果てきめん、逆効

果…ぐらいの用例しか出ていないが、この辞典では「効果が」の助詞である『が』用例で「効果があ

がる」「効果が薄い」「効果が疑わしい」「効果が生じる」「効果が表れる」「効果が高い」「効果

が出にくい」などの20例が載っている。さらに『を』では「効果をあたえる」など50例、『に』

では「効果に期待する」などの2例が出ている

 

▼ただし、この「てにをは辞典」では掲載されている用例が正しいか否かの検証はなく、「感性」

と「感受性」といった語句の使い分けの解説もない。それは、漱石・鴎外などの大作家から、現代の

若手作家、大衆・娯楽小説、新聞・雑誌の様々な文章の用例から編集しているので、ある作家や記者

が実際に書いている『言い回し』を集めているからなのだ

 

▼専門新聞の記事を書く場合も、当然のごとく表現力を求められる。日常なにげなく目にする文章

に使われている「が」「を」「から」「に」などの助詞の用例を一つ一つ拾い集めて、チェックして

みる作業も大切となるだろう。自分を高める手段として、この辞典は面白いツールだ。(埼玉・HS

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