コラム

2010/10/26

命を救った掘削機(茨城・HN)


▼この秋から、テレビ番組では新ドラマがスタートした。その中の一つであるフジテレビ系列のドラマ『医龍3』。天才的な知識と技術力を持った主人公が信頼できる仲間とともに難易度の高い手術を成功させていくヒューマンドラマ。崩壊しつつある建物からけが人を処置して助け出すシーンで、チリのサンホセ鉱山落盤事故が脳裏をよぎった

▼当初、救出用の縦穴は貫通までには3カ月以上かかると言われていたが、救出作業に加わった米国人の掘削技師ジェフ・ハートさんと掘削機の効力により33日で貫通。33人全員の救出が完了し、奇跡の救出劇が幕を閉じた

▼人命救助というテーマは、よくドラマ化されることが多い。前述の『医龍』や『ドクターヘリ』、『海猿』など。しかし、建設業がその手のドラマで取り上げられることは少ない。最近、建設関連で記憶に新しいのがNHK系列のドラマ『鉄の骨』。ただ、この話は談合をテーマにしたもので、決して人命救助をテーマにしたものではない。だが、実際の事故現場では、機械の活躍で人の命が助かるケースは多い

▼医療であれ建設であれ、どちらも人命救助に欠かせないという点では同じ。だが、どうしても取り上げられ方に差がある。どちらも人を助けるために賢明に取り組んでいるのには変わらないはずなのに

▼チリの落盤事故では、一連を映画化する話が出ているようだ。救出された作業員は、現場監督員を中心に乱れることなく堪え忍んでいたと聞く。それら一人一人の人生を描くのも良いが、人命救助に大きく貢献したジェフ・ハートさんと掘削機の活躍も見逃せない。(茨城・HN)

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