コラム

2010/10/27

田舎の郷土に誇りを(群馬・HM)


▼来年、群馬県で国内最大規模となる観光キャンペーン「群馬DC(デスティネーション・キャンペーン)」が開催される。観光立県を目指す群馬にとっては、県の魅力を全国に発信するまたとない機会。それに併せて、観光地へのアクセス道が整備されるなど、さまざまな業界への経済効果も期待されている

▼筆者は、群馬生まれではないが、ほかの地域から移り住むと、その良さも悪さも地元の人より分かることがある。良い点で一番感じるのは人柄である。「よそ者」と見られず、地元出身ではなくても疎外感を感じない。都会には絶対にない広い空の下、畑の中を愛犬とのんびり散歩できる贅沢は捨てがたい

▼一方で気になるのは、群馬県民同士集まっている時など、「群馬はいいところ」と話しているのに、他県、特に東京など都会の人たちの中にポンと置かれると、「群馬は田舎だから」といじけてしまうことも。もちろん全員ではないだろうが、こういうシーンをよく見かける

▼田舎、都会と色分けすれば、群馬はまぎれもなく田舎の部類だろう。そして都会のひとは垢抜けし、田舎もんを馬鹿にする風潮も意外と残ってはいるものだ。しかし、そろそろ過去のものにしたい。それには地方の人が「田舎だからこそいい」と胸を張ることが必要だ

▼「温泉があります、スキーもできます、食べ物もおいしいです」と一生懸命宣伝しても肝心の県民が魅力を実感していなければ、これは説得力に欠ける。来年の群馬DC、県外ばかりではなく県内の人も改めて良さを確認し、子どもから大人まで郷土に誇りが持てる取り組みになればいいと願っている。(群馬・HM)

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