コラム

2010/11/05

二順目の議論で望む(東京・UT)


▼国土交通省は11月12日まで、入札・契約制度の透明性確保に関するアンケート調査をインターネット上で実施している。主に、総合評価方式に関する改善提案を受け付ける内容となっている

▼同省ではこれまでも発注者や業界団体へのアンケートを複数回行ってきたが、誰でも参加できる形式は、今回が初めて。突飛な回答や、団体幹部などでは思いもつかない、現場目線からの提案が寄せられるとおもしろい。国交省の狙いも、どうやらそこにあるようだ

▼振り返ると、総合評価方式が本格的に定着したのは、平成17年4月に公共工事品確法が施行されてから。同法では価格と品質が「総合的に優れた内容の契約」をするよう規定しており、その具体策として総合評価方式が本格的に適用される運びとなった。価格だけの競争は止めるという、大きなメッセージだった

▼それまでの建設業は、受け身的性格の強い業種だったといえる。発注者の指示通りにきちんと施工することこそが、最も大切。総合評価は、そうした常識を徐々に変えていった。受注するためには、自己主張やプレゼンテ―ション能力、さらには技術提案書の書き方のテクニックも重要になってきた。さらに大規模工事で適用される高度技術提案型では、受発注者が技術的な対話をした後に予定価格を作成できることになり、ネゴシエーションの手続きが加わった

▼これらが定着し、国交省内にも「総合評価の議論が二順目に入った」という声がある。そこではぜひ、「寡黙でプレゼンテ―ションなどは苦手だが、キラリと光る技術の持ち主」をきちんと救える仕組みにしてほしいものだ。(本社・UT)

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