コラム

2010/11/12

事故防止の決め手とは?(茨城・KK)


▼「ここに来て、講習を受けることになるとは…」―ある建設会社の安全大会の式次第を見て、いささかとまどった。安全講話の演題は『交通事故の実態を知る』。近年の事故事例のデータ解説に終始するものと思いきや、予想に反して(?)内容は、目からウロコの連続だった

▼講師の長森紀紘氏は?日本交通事故鑑識研究所の交通安全アドバイザー。開口一番、「信号の青・黄・赤の意味するところを言ってください」。「青は『注意して進め』、赤は『止まれ』は誰でも知っています(長森氏)」。「黄色は『止まれ(ただし…)』なのです!(同)」。停止位置に近づき過ぎたか、すでに停止線を越えていて、危険を伴う場合に限り進むことができるという『ただし書き』がつく

▼交通事故は運転技術の未熟さで起きるのではない。全事故の9割は交通ルール違反による。また、特に事故の6割が交差点事故。ほとんどの人が信号を守る『交差点安全進行義務』の存在すら忘れているのでは。右折でも、交差点中心の内側を通らないショートカット右折が後を絶たない

▼多くのドライバーが「急いで交差点を通過しよう」とばかり、アクセルを踏み込んでくるのが実状ではないだろうか。けたたましくクラクションを鳴らしながら?突進?してくる車両も少なくない。「そもそも信号を守らないのだから、事故がなくならないのも無理はない」と長森氏は嘆く

▼「知っていて行動するか、知らないかは大違い(長森氏)」。一生、事故と無縁だったら、幸せな人生だろう。黄色は『止まれ』。事故防止の決め手はたったそれだけ、と言っても過言ではないだろう。(茨城・KK)

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