コラム

2010/11/16

お天道様は見ている(茨城・HS)


▼千葉ロッテが日本一に輝いた今年のプロ野球。ドラフト会議もすでに終了しており、本格的なストーブリーグの時期が到来した。この時期は契約更改やトレード、自由契約となった選手の再挑戦の場であるトライアウトなど、シーズン中とは違った意味で野球を楽しめる季節でもある

▼不況とはいえ、選手たちの年俸は一般人のそれとは比べものにならない金額だ。一年を通して活躍した選手は、増額した数字を見て満面の笑みで契約書にサインすることだろう。逆に活躍できなかった選手は、苦渋の顔で減俸を受け入れながら心では来年の再起を誓っているはず

▼トレードは弱点補強のために欠かせない。相手を強くするリスクはあるが、自分のチームを強くするためには仕方ない側面もある。人気選手を放出する場合は、ファン離れにつながる可能性もあるため注意が必要になる

▼見ている側に限って言えば、トライアウトは実際の試合に引けを取らないドラマの場。毎年、参加選手に密着したテレビ番組が放送されるのは、そこに視聴者を惹きつける感動があるからに他ならない。戦力外通告を受けた選手が現役を続けようと必死に汗を流す姿は、同じ人間として誰もが思わず応援したくなるものだ

▼思うに、建設業界はこうした努力を表に出すことを良としない人が多い。それは日本人的な美徳の一つだが、残念ながら声にならない声は聞き流されてしまいがちだ。お隣りの国のように、理屈抜きで声が大きい方が勝つ社会もある。しかし、そんな殺伐とした世相は我が国には似合わない。どんな時でもお天道様は正しい方向を見ているはず。(茨城・HS)

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