コラム

2010/11/17

労災増加に警鐘(群馬・HM)


▼9月までの全国の労働災害による死亡状況を見ると98人、増減率14・4%とかなりの増加になっている。建設業は微減だが、特に増加しているのは、陸上貨物運送事業の40・5%増。人数では30人。林業でも14人増え、増減率では51・9%になっている。この一因に今年の夏の暑さがあるのではないかと思われる

▼熱中症という直接的な原因でなくても、暑さによる疲れ、睡眠不足、イライラなどによる集中力の低下が影響していると思えてならない。そして、それは冬の寒さにも同じことが言えるのではないか。今年の冬は寒いと聞いた。それは、さまざまなところで体にストレスを与え、それが集中力を下げ、労働災害に結びついていく

▼一つ一つの作業を確認、手順をきちんと守って、など労働災害防止にはこれさえやれば大丈夫というものはない。基本を守り、それを積み重ねていくしかない。ところが、そういう地味な作業こそ、疲れていたり、イライラしているとおろそかになるものだ

▼労働災害で亡くなった人たちは、まさか自分にそんな悲惨な運命が待っているとは思っていない。帰宅後は家族と団らん、ゆっくりビールで一杯やろう、今度の休日には家族と遊びに行こう―などと楽しいことを思い描きながら仕事に向かっていったはずだ

▼異常気象が続くと言われる昨今、そういう悲劇を1件でも少なくするためには、今まで以上に体調管理も必要だし、職場や作業所での理解ある対応も問われてくる。既に11月も半ば、年末年始までもう少し。いつも通りの楽しい正月休暇を過ごすため、今一度年末に気を引き締め直したい。(群馬・HM)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら