コラム

2010/11/18

過保護は弱くする(埼玉・YW)


▼政府が第2、第3の開国かと言われるTPP、いわゆる環太平洋戦略的経済連携協定に加盟する動きがでている。そしてそれに大反対を唱える勢力も顕著だ

▼加盟すると、例えば外国産輸入牛への関税35%ほどだったのが、牛肉に限らず関税が撤廃され、日本の農業が安い外国産に押されて農家が壊滅する。他の業界もそうなると巷間叫ばれているが、果たしてそうだろうか

▼「選択するのは消費者」である。該当する業界関係者だけで判断すべきではないのでは。最初から負けるとなぜ判断するのだろうか。中国、ロシアでは日本の果物や野菜は価格が高くてもスーパーで売れている。日本の農家の心がこもった食べ物は安心で品質が高いため人気があり、価格が高くても売れる。逆にピンチはチャンスでありマーケットが生まれると考えることも大事だろう

▼以前国会で自由貿易議論が出た時、国会前に泊まり込んで反対した経緯がある。ところが今に至って、政治が票を気にして過保護にした為、逆に農家を駄目にした。戦ってこそ日本の農家は強くなるはずだ。競争がないと駄目になる。護送船団は駄目なのだ

▼松下幸之助氏の名言に「志を高くする人間は、たまにしか親の言うことは聞くな、親は子が失敗しないためのアドバイスしかしない」とある。スウェーデンではカーリングペアレンツがいるそうだ。子供が通る前をカーリングのように掃いて子供を守るのだそうだ。建設業も地元優先発注などと甘えてはいられない。市民は仕事しさえすれば県内外などとこだわっていない。過保護な産業は弱体化し廃れる。建設業も充分認識しているはずだ。(埼玉・YW)

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