コラム

2010/11/19

叫び続ける意味(茨城・HN)


▼弊紙が10月13日から21日に茨城版で連載した現場レポート『業者の叫び』について、読者から水戸支局へ感想が寄せられた。この連載は理不尽な設計変更やサービス工事などで苦しむ業者の声を代弁したもの。読者からの応援メッセージだったが、その際の訴えに、いっそう身の引き締まる思いがした

▼発注者の都合により、停滞する現場で技術者が拘束されかさむ人件費。その一方で、低価格設定の競争入札で利益が見出せないなど、いたばさみの状態が続いているという。言いたいことを言えない。あるいは言っても現場レベルで止まってしまう切なる声。幣紙にしか訴えるところが無いのだという

▼そんな出来事から程なくして、茨城県から連載について反応があった。土木部総括技監からは改善策に取り組みたいとの嬉しい声だ。無論、『業者の叫び』は県に向けた声だけではない。国や市町村など発注者全体に向けたメッセージでもある。発注者側の言い分もあるだろうが、今回は県の姿勢に大いに期待したい

▼弊紙は読者の悩みをズバリ解決する?駆け込み寺?ではない。だが、双方に貢献することは重要な役割なので今回の反応は嬉しい。ただ、行政を批判しているわけではない。業者の切実な声を真摯に受け止めて、それに応えて欲しいという想いだけである

▼より良い社会資本整備の担い手として建設業界の育成もある。今後、県土木部では部長や総括技監ら主導のもと、現場の状況改善に取り組むと聞いている。その流れが、市町村、その他の発注機関へと波及することも期待したい。当然だが業界の自助努力も絶対に忘れてはならない。(茨城・HN)

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