コラム

2010/12/09

高さへの憧れと夢(埼玉・YW)


▼人は空を飛びたい。それもどこまでも高くという、高さへの憧れは恐らく紀元前のころからあったのではないか

▼高さについて、人間の高さへの欲求、高さへのこだわりみたいなことを2つ体験した。1つは東京下町に建設中のスカイツリー、遠くから見ても目立つしランドマークになるだろう。もう1つはさいたま新都心地区に建設予定だった埼玉以北ナンバー1の高さの民間複合ビルの景気低迷による撤退

▼フォークソングで「願いことが叶うならば翼が欲しい」というくだりは良く聞いたものだ。つまり人は飛ぶことと場合によっては高さへの憧れがあったのであろう。高さというと、旧約聖書に出てくる「バベルの塔」を思い浮かべる。空高く作ろうとして神様が怒り、崩壊させたとの一説がある

▼筆者はウィーンの国立美術史博物館で本物のブリューゲル作「バベルの塔」を見上げ感じたのは「神様の領域に挑戦すると神様は分を知れと怒るのかな」と。その時は分相応のものにチャレンジし大風呂敷を広げると失敗するということの教えと受け取った。しかし人は何かに憧れ、それを目指し挑戦し、目標を高く掲げ追いかけてこそ人生であり、面白い生き方だと同時に感じたものだ

▼方法論を間違わなければ、空高くまで伸びて届くものと改めてスカイツリーを見上げて思い起こしたし、バベルの塔も一定以上の高さまでやれたのではないか。人は目標と夢を持ち、それに立ち向かうことは素晴らしいことであり失敗しても批判にはあたらない。ただし努力や過程が謙虚でなければ神様も怒り、失敗へと導くのだろう。昨今の世相に痛感する。(埼玉・YW)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら