コラム

2011/01/06

情報化社会にウサギの耳(東京・HM)

情報化社会にウサギの耳

▼明けましておめでとうございます。さて、新聞社は、「情報」がキーワードである。情報を集めて、それを発信するのだから当たり前の話で、改めて言うことでもないのだが、最近ちょっと気になるのは、「情報化社会」という言葉。「情報社会」ではなく「情報化」。

▼手元の辞書を引いてみると、物質やエネルギー以上に情報が必要になり、その利用法などによって社会的優劣の差が生じる…などとある。つまり、あちらこちらに情報が溢れている状態を示す言葉ではなく、商売の元が今までの物やエネルギーから情報に変わっていく課程を表している。この変化の「化」という訳だ。

▼なるほど、では新聞社などはもともと情報を飯の種にしてきたのだから、今さら「情報化」でもないか、と安心もできない。ここ数年は、「新聞どうですか」と勧めると、「ウェブで見るからいい」と言われることが多い。確かにインターネット上にある情報の量や速度はすごいものがある。

▼しかし「それならば、もう全てインターネットでいいじゃないか」となりそうなものだが、そうもならない。多すぎる情報は、それはそれで面倒だ。その中から必要なものだけを取捨選択していく作業が必要になるからである。過ぎたるは及ばざるが如し。

▼今年は卯年。ウサギはあの大きな耳で沢山の音を集めながら、自分に危険を知らせる音だけに耳をすませているのだろう。筆者も溢れる情報の中から、価値や必要性のある情報をきちんと見分けていく能力を磨き、インターネットを見るよりも新聞の方が便利だ、と言われるような情報を発信していける1年にしたい。(東京・HM)

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