コラム

2011/01/13

あって当たり前ではない(埼玉・SW)

あって当たり前ではない

▼先日、NHKテレビで「縮む日本公共施設・インフラ何を残し何をあきらめるか」と題した情報番組を見た。インフラ整備は、新規どころか更新すら難しい状況であることが紹介されていた。必要性は認識しているが、民生費などが圧迫している厳しい財政状況で難しい舵取りを迫られている。

▼千葉県習志野市では、施設などの建て替えを含む総費用が「今後20年で800億円」と試算されている。これほどの費用を要するならば、市が一部事業を手放す必要がある。市営住宅は民間の共同住宅などで代替できるだろうし、民間資金を活かすPFI手法の研究も必要になってくる。

▼神奈川県秦野市役所には、敷地内にコンビニエンスストアが設置されている。夜間の住民票発行や市立図書館の貸出図書返却など、さまざまな公的サービスを実施している。便利さ向上はもとより、職員の人件費削減にもつながるだろうし、土地の年間賃料が歳入となり、一石三鳥にもなっていると言えよう。

▼野村総合研究所上級コンサルタントの宇都正哲氏は「考えるヒント3カ条」として「あって当たり前のものではない」「自治体が使える金は減る」「縮む社会を受け入れる」を紹介していた。また、番組では施設の統廃合についても触れていた。実現には住民の理解が必要だが「将来に負担を残さない」ためにも推進すべきだろう。

▼「公共事業はムダ・悪」という偏向報道がある。それでも必要なものは必要、補修・補強は重要だということを訴える必要がある。消費者金融ではないが「計画的に」対応していかなくては、災害発生時などに大惨事になってしまう。(埼玉・SW)

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