コラム

2011/01/18

日本の文化・年末年始(茨城・KS)

日本の文化・年末年始

▼2011年も幕を明け、はや半月が過ぎた。大掃除や初詣など、歳末から年始にかけての一連の慣習にも意味があり、改めて日本の伝統的な文化を感じる。

▼一年分の汚れを隅々まできれいにする年末の「大掃除」。神社仏閣の「煤(すす)払い」と同じく、一年の厄を払い清める神聖なもの。近年は、家族総出での一大行事というような光景は見られなくなってきた。昨年話題となった歌・『トイレの神様』の効果でもあればよいのだが。

▼掃除が終わると、「お正月飾り」に取りかかる。言わば年神(としがみ)様を迎え入れるための看板だ。しかし飾る時期に細かな制約があった。12月29日は?9(苦)?によることから縁起が悪く、31日の大晦日は?一夜漬け?ならぬ?一夜飾り?で失礼に値するという。和の国、日本の神様はもっとおおらかであってほしいと思うが。

▼そしていよいよ大晦日。あちこちの寺から聞こえてくる除夜の鐘は108回突く。この数字の由来は諸説ある。まず人間の煩悩の数という説や、12の月・立春や夏至といった二十四節気(にじゅうしせっき)、これをさらに細かくした七十二候(しちじゅうにこう)を足した数で一年間を表すという説。また、四苦八苦を取り除くということで?4×9+8×9?によるとも。どれもそれらしく思えて興味深い。

▼年が明ければ「初詣」に赴く。旧年への感謝を伝え、新年の平安を祈る重大行事。近年は不況のせいか、景気回復の神頼みで参拝客が増加しているという。ことしはうさぎ年(卯)。「物言い過ぎず、聞く耳持って、飛躍の年となりますように」心から願うものである。(茨城・KS)

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