コラム

2011/01/27

前回の卯年体験を原点に(埼玉・YW)

前回の卯年体験を原点に

▼2011年と比べ、前回の「うさぎ年」つまり1999年は筆者にとってどんな年だったかを振り返った。翌2000年からの省庁再編を控え、さいたま新都心への「国の出先機関移転」を見据え、担当者として当時、国の出先機関であった大手町や六本木界隈などに出向いて引き継ぎのため、胸に希望を抱いていた歳月を過ごした。

▼1999年から2001年当時は「他社の記者に負けまい」とがむしゃらに手柄とスクープを貪欲に求めた。最も記者らしく活動した日々だったことが懐かしく脳裏に浮かぶ。新聞社の看板を背負っているという使命感と喜びのなか、何か燃えたぎる野心があった。

▼それから12年、光陰矢のごとし。平等に歳を取るとはいえ、年月の経つのは早い。思えばアッという間だった。邂逅が、忘れかけていた記者魂に、もう一度灯を点してくれたようだ。会社の看板を背負って記者クラブで他社の記者との取材駆け引き、隠密取材やスクープ合戦などを懐かしく思う同時に、私を成長させてくれた証でもあったことを感謝せずにはいられない。

▼建設産業も当時とは比較にならないほど過当競争にさらされ、相手よりいかに安く、かつ競争に勝つのかに神経を尖らすチキンレースの時代に突入したようだ。戦々恐々としている。

▼しかしそれは考えようではチャンスであり、前向きに突入したらどうであろうか。新年に臨み、われを忘れて取材に突進した、あの充実した12年前の、忘れかけていた自分を、今一度実践し、うさぎのように柔軟に跳ねようと思う。これは筆者に限らず、業界全体で新たにする新年の抱負だろう。(埼玉YW)

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