コラム

2011/01/28

大河ドラマと女性の強さ(茨城・KK)

大河ドラマと女性の強さ

▼今年のNHK大河ドラマ『江(ごう)〜姫たちの戦国〜』が始まった。今年の大河は、節目の第50作に当たる。1963年(昭和38年)の『花の生涯』から昨年の『龍馬伝』まで、多くの歴史上の偉人の生きざまを描いてきた。

▼江は、織田信長の妹・お市の三女。2度の落城を経験し、父母を失う。その後、天下人・秀吉の命で2度の政略結婚。3度目の結婚で、徳川二代将軍・秀忠の妻となり、三代家光を産む。さらには、姉・淀と敵味方に分かれて天下を争うことに。2000年(平成12年)の大河ドラマ『葵・徳川三代』での岩下志麻さんが好演が印象に残っている。

▼1911年(明治44年)に平塚らいてうを中心に発刊された女性のための文芸誌『青鞜』創刊号に「元始、女性は実に太陽であった」―「婦人解放宣言」が寄せられている。古代日本は「祭政一致」が社会規範であり、ここでの女性は天照大神を指し、天照は女神にして太陽神といわれる。

▼その後の歴史では、男が主役として語られることが多く、ともすれば女性はその陰に隠れがちだ。しかしその実、歴史の節目節目、あるいは危機に瀕した時、女傑が登場し歴史を動かしてきた。北条政子、北の政所(豊臣秀吉の正室)、日野富子…評価はさまざまだろうが。

▼『江』の原作者は、2008年の大河『篤姫』を大ヒットさせた田渕久美子さん。江戸幕府の幕引きに立ち会った篤姫と、その始まりを築いた江。ともに厳しい時代を生き抜いた女性ということで興味は尽きない。先の見えない不況日本、激動の国際競争社会は戦国時代に通じるのでは。今年の大河ドラマに大いに注目である。(茨城・KK)

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