コラム

2011/02/02

報道機関が果たす役割(群馬・AN)

報道機関が果たす役割

▼本紙では昨年末、県内自治体における優良工事表彰制度の有無を調査し、提言記事を掲載した。これに対し、建設関連団体からお褒めの言葉を頂いた。「表彰制度は技術の研鑚に大きく寄与する。こういった記事によって各自治体へ表彰が浸透すれば、業界全体のレベルアップにつながるはず」と。

▼優良工事表彰を行う理由については「建設業者の健全な育成」や「建設工事の技術力向上」「適正な施工の確保」と回答する自治体が多い。要は「業者の励みになれば」との趣旨からとも言える。

▼本紙が県内35市町村へ独自調査を行ったところ、前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、館林市、渋川市、藤岡市、安中市、下仁田町、中之条町、嬬恋村―の12市町村が表彰要綱を定めていたものの、市部に限ってみると3市が要綱を定めていなかった。そこで、本紙ではこの3市へ表彰制度を創設してほしい―と紙面上で訴えた。

▼東日本建設業保証がまとめた『建設業の財務統計指標(昨年度決算分析)』。本県の状況について、福田敏弘・群馬支店長は「1企業の経営努力では、どうにもならないところまで来ている」と強く懸念した。業界が崩壊しつつある今だからこそ、地域の安全・安心のため粛々と技術を磨く優良企業へ表彰というインセンティブが必要ではないか。

▼報道機関は立法、行政、司法とともに『第4の権力』と呼ばれ、社会的に非常に大きな力を持ち、時として世の中を大きく動かす。本紙の提言は、そんな大それたものではないが、常に大きく、正しい方向へ突き動かす原動力となるべき役割も担っていると認識している。(群馬・AN)

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