コラム

2011/02/08

アジア杯優勝と監督の手腕(茨城・MK)

アジア杯優勝と監督の手腕

▼サッカーのアジアカップで日本代表が優勝した。僅差の試合をものにしてたどりついた栄冠だ。不可解な退場、逆転勝ち、延長戦、PK戦など、ドラマチックに楽しめた。

▼大会前、筆者はあまり日本代表に期待をもてなかった。実力を疑ったわけではない。大会に臨む環境が有利とは思えなかったからだ。まずはコンディション。日本のプロサッカーにとって1月はシーズンオフ。厳しいシーズン後のため体調面で厳しいなと感じていた。加えて、酷寒の日本から暑い中東に移動して試合をしなければならない。

▼ザッケローニ監督が就任してからあまり経っていないことも不安材料だった。チームは監督の方針で大きく変わるもの。それも外国人監督であれば、意志疎通を図り戦術などを詰める時間も必要になる。これらを考えると厳しい大会だと思わざるを得なかった。

▼しかし、試合を重ねるごとに選手たちはたくましくなっていった。監督の采配も的中。大会では先発選手を固定して戦ったが、途中出場の選手が得点するなど選手交代も当たった。ポジションの修正も理にかなっていた。

▼途中出場の選手がこれほど活躍する大会も珍しいと評した専門家がいたが、これがザッケローニ監督の優れた点なのだろう。「チーム全員で戦う」というが、先発選手が張り切るのは当然として、途中出場の選手が結果を残すということは、交替選手に監督が的確な指示を与えたこと、先発で出られない選手を上手にケアしていたことだろう。ザッケローニ監督のことを「気配りの人」と言った選手もいたが、大会の結果を見て筆者も同様に感じた。(茨城・MK)

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