コラム

2011/02/09

時代が求める声(群馬・AN)

時代が求める声

▼平均寿命世界一の日本だが、その3分の2近くが生活習慣病で亡くなっているという。生活習慣病には糖尿病や脂質異常症、高血圧などがあり、がん、脳血管疾患、心臓病といった3大死因との関わりも深く、食生活の欧米化や運動不足などが大きく起因している。

▼橋梁やトンネルなど高度成長期に建設された数々の公共施設が近い将来、更新時期を迎える。群馬県でも昨年、橋梁長寿命化計画を策定。今後、効率的な管理を行い、維持・修繕や架け替えにかかる費用を縮減しながら、経済的な維持管理の実現を目指す。それは橋梁やトンネルだけではなく、農業水利施設も同様。

▼県農村整備課でもストックマネジメント手法による農業水利施設の機能保全対策を推進しており、2月定例県議会へ上程予定の群馬県農業振興プラン(案)にも施策の柱の1つとして掲げられている。本県のみならず、計画的な維持管理や低コストな整備手法の導入は、全国的な課題と言えよう。

▼公共投資量の削減は、時代の要請といった声も多いが、公共事業を生業としている人たちからすれば、それだけは済まされない。『これからは、維持管理の時代』とは誰が発した言葉かわからないが、確かにその通りで、その中で生業を成り立たせていく以外に道はないはず。

▼ストックマネジメントも、少子高齢化に起因する公共投資量の減少に伴う1つの知恵。一方、少子高齢化も家計における介護への投資増大に伴った出生率減。背負っている課題は、国も家計も同じこと。ただ、社会保障費の拡大は時代が求める声だが、公共投資量の大幅減も果たして同じ求める声なのだろうか。(群馬・AN)

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