コラム

2011/02/16

トイレはきれいに(群馬・SN)

トイレはきれいに

▼この冬、全国各地で記録的な降雪に見舞われ、地元住民が悲鳴をあげている様子が連日報じられている。被害は住民だけではない。福島県や鳥取県の国道でおきた大渋滞は、仕事でその場に居合わせた人や観光客なども巻き込んだ。

▼鳥取では大晦日に故郷への帰省や観光などに向かう車が約2日間にわたって雪で立ち往生するはめに。実家への帰省や温泉旅行を楽しみしていた人にとって、雪が原因で計画を台無しにするとは誰も予期していなかったに違いない。

▼しかし、その先に人間の温かさを実証する物語があった。鳥取では見動きできなくなった何10台もの車を見た地元の人たちが、救済の行動に出たのだ。ある女性は、近所の仲間と共同して、おにぎりやみそ汁を炊き出し、まんじゅう屋の主人は作れるだけのそれを無料配布。さらには窮屈な車中での待機を心配して公民館を開放した。一方でトイレの提供者も複数いた。空腹を満たすための食料やからだを横にしてくつろげる場所の提供はありがたい。同時に、生理現象であるトイレを我慢するのはこれまたつらい。

▼トイレと言えば、暮れのNHK紅白歌合戦などでも話題になったが「トイレの神様」なる歌がヒットしている。作者が祖母からの教えをモチーフにした曲で、トイレには女神が居て、いつもきれいにしておく女性はべっぴんさんになれるという内容。

▼今回のように急に誰かに器具を貸すことは確率的に少ないにしても、誰もが気持ちよく使えるよう、いつも清潔にしておくことは大切だ。まして公の施設であればなおさらのことである。公共心には暖かいぬくもりがいっぱい詰まっている。(群馬・SN)

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