コラム

2011/02/18

絵本と記者が教えてくれたこと(茨城・HN)

絵本が教えてくれたこと

▼休日は4歳の娘に絵本を読み聞かせることが多い。これは筆者の仕事だが、平日は、女房が娘が寝る前の日課となっている。あぐらをかいた膝の上で娘を覆うようにして、絵本の文章をゆっくりと読み聞かせていく。ふと気づいたことがあった。どの絵本も、文章のテンポというか、文節の区切りがとても良いのだ。ゆっくりとリズムを刻んでいるようで心地よい。

▼確かに、絵本は子どもが理解し易いように一文の区切りを短くするなど、工夫している。しかし、これは新聞でも同じではないか。物事を説明しようとすると、どうしても一文が長くなりがちだ。細かな情報を伝えることも大切だが、読み手に伝わらなければ意味がない。

▼以前、読者からこんな電話をいただいた。それは地域建設業経営強化融資制度の記事を掲載した時のこと。「内容自体は良いが、難しくて意味がよく分からない。もう少し説明を加えてほしい」とのご指摘だった。文章を読み直してみると、確かに分かりにくい。自分で書いておきながら情けない話だ。

▼最近、若手記者が書いた記事を「冒頭の文章が分かりづらい」と指導することがあった。その際、「なぜ分かりづらいのか」と逆に聞かれ、うまく説明してあげられなかった。原因は接続詞の使い方。その時、記者への説明もうまくできない自分が、読者を納得させられる筈もないと気づかされた。

▼子どもへの読み聞かせが、逆に改めて文章を見つめ直すきっかけとなり、かつまた若手記者への指導が反省する機会となった。まだまだ未熟である。些細なことでも気づいたら、その度に改善することが大切だと痛感する。(茨城・HN)

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