コラム

2011/03/03

必要不可欠なコスト(新潟・SS)

必要不可欠なコスト

▼深夜にシャランシャランと聞こえる。除雪重機が出すチェーンの音。日本海側の各地では記録的な大雪。多くの自治体が除雪作業の予算を使い果たしてしまうという報道がなされている。

▼筆者の住む新潟市は意外と積雪量の少ない地域である。たまに大雪がふるたびに、「下手」や「遅い」など相当数の苦情が市役所や除雪業者に届くようだ。豪雪・中山間地域の除雪に比べて、見劣りしてしまう新潟市の除雪だが、小雪傾向でオペレーターの経験不足はもちろん、ロータリーで雪を飛ばせるような広いスペースも流雪溝も無いので単純に比較はできない。

▼深夜から早朝にかけて除雪の作業に従事している人の苦労多い。道路除雪は、地域業者が通常業務と平行して除雪作業を行わなくてはならない。深夜から早朝まで除雪作業をした後、朝8時から工事現場で仕事をし、その晩も雲行きが怪しければ待機ということも。自治体の担当者も通勤時間までに良好な状態にするために待機したりと、気苦労は相当なはず。

▼降雪は自然現象、だからモノをつくるようにはいかない。出動の道路積雪量が10センチとか15センチとか自治体ごとに決められているが、5センチ以下だから出動しなくて良いのかというとそうでもない。1回除雪した後に通勤時までにかなり積もることもあるし、日中で何センチも積もる場合もありうる。

▼財政状況による除雪コストの削減が懸念される中で、近年の小雪傾向にあわせて除雪体制を組めば、今年のような大雪に対応できない。大雪を規準とした除雪体制の維持と予算の必要性を今年の大雪が示してくれることを望む。(新潟・SS)

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