2011/03/23
問われる情報公開(群馬・AN)
問われる情報公開
▼情報公開の名のもと、さまざまな情報がインターネットなどを通じて知ることができる。一時期流行したディスクロージャーも本来『隠れていたことが明るみに出ること』を意味し、幅広い意味で情報公開を指す。その一方、情報公開が独り歩きし、あることないことまでが表に出てしまい、企業自体の存続すら危ぶまれる重大な情報操作もあり得る。
▼国もそうだが、各自治体でも当初予算の編成が行われ、いずれも3月末までに定例議会での承認を経て4月から執行する。新年度も例外にもれず各自治体は景気悪化に伴う税収減などから、予算編成には四苦八苦しているようだ。
▼群馬県みなかみ町では、ホームページ上で当初予算案(一般会計)を公表している。公表内容はフレームや概要のみならず、いわゆる『予算書』ごとPDFで掲載されており、いつでも誰でも閲覧が可能となっている。ここまでの情報公開している地方自治体は少なく、今の時代にマッチした先進的な取り組みだと感じた。
▼その一方、編成された予算自体を「隠そう隠そうとしているのでは」と思える自治体も見受ける。その自治体へ実際、補正予算を閲覧に伺ったところ「建設関連の事業はない」のひと言で拒否。後日改めて「建設関連事業がなくても閲覧させてください」とお願いすると、職員は渋々に応じた。
▼相手が報道だから、そういった対応を取ったのかはわからない。ただ、仮に筆者がその自治体在住だったとすれば、職員の対応に腹立たしさを感じるだけでなく、我が住む街への落胆すら覚えるだろう。時代錯誤も甚だしい対応はまだ続きそうだ。(群馬・AN)