コラム

2011/04/07

情報を届ける思い(埼玉・SW)

情報を届ける思い

▼東日本大震災が発生してもうすぐ1カ月が経とうとしているが、未だに被災の全容が見えてこない。やりきれない思いだが、被災した関係者にとってはなおのことその思いは強いだろう。行方不明になった家族の安否を気遣う映像を見るたび心が痛む。

▼災害を未然に防ぐため作成されるハザードマップ。今回、このハザードマップを頼りにしたことで被害に遭った住民もいたという。逆に、ハザードマップだけを信じることなく難を逃れた子どももいた。子どもであるがゆえの判断だったのだろうか。想定外の地震とはいえ、ハザードマップの情報にとらわれない感覚が生死を分けた。

▼報道によると、津波が来るまでにはそれなりの時間があったようだ。このとき、すぐ逃げるのか、避難生活などを見据えて準備するか―などで明暗が別れた人もいた。これまで、津波警報が出ても実際には数10?ということも多く、油断があったかもしれない。また、安否が分からない理由には、宮城県南三陸町など役場が跡形もなく流されてしまい、個人情報が行方不明になっていることもある。

▼一方で、インターネットの力の大きさも感じる。グーグルでは「パーソンファインダー」として消息情報を検索できるサービスを行っている。そのほか、ツイッターなどSNSにより情報を入手する手段もあるようだ。

▼弊社においても、特に水戸支局が被害を受け、1週間ほど新聞を休刊した。また、その他の支局でも計画停電などの影響で紙面制作に苦心している。それでも、情報を届けたいという思いは変わらない。その一心でこれからも新聞を発行し続けたい。(埼玉・SW)

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