コラム

2011/04/08

決断と音楽が力を与える(茨城・KM)

決断と音楽が力を与える

▼3月11日の東日本大震災以降、津波が襲ってくる映像や被災地の状況など、惨憺たる映像がテレビで放映され続けた。どの局でも、悲惨で深刻なものばかり。大人でも気が滅入る映像に、子どもは心底辟易していることだろう。

▼大震災の影響により、テレビCMを自粛する企業が相次ぎ、大量に放送されたのが(社)ACジャパンのCM。繰り返しの放送に「しつこい」などクレームが出たようだが、わが子には「あいさつの魔法」が好評だった。「こんにちワン」「ありがとウサギ」など、CMに合わせて笑顔で口ずさむ。つらく不安な映像が流れ続ける中、ポップなフレーズ、そして明るい音楽が子どもの心を癒してくれたようだ。

▼筆者が毎年楽しみにしているイベントに「荒吐(あらばき)ロックフェスティバル」がある。東北地方最大級にして、春の代表的な音楽フェスとしてその名を知られ、昨年は2日間で延べ4万2000人を動員した。

▼ことしは4月29・30日にエコキャンプみちのく(宮城県川崎町)での開催が予定されていたが先日、延期開催が発表された。その中で主催者は「震災直後は中止という選択も考えていた」とした上で、出演予定者や関係者、観客からの激励に対し「開催へ向けて前進するという形で応えなければならない」と延期に至った経緯を説明した。

▼震災後、イベント自粛・中止の風潮が強まる中、宮城県で開催されるこのイベントが「延期」となった意味は大きい。この決断に敬意を表するとともに、いつか無事にこのイベントが開催され、音楽とともに大きな力を皆に与える日が来ることを切に願っている。(茨城・KM)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら