コラム

2011/04/09

防災用語は簡単に(新潟・KK)

防災用語は簡単に

▼建設専門紙の記者として、有益な情報を読者へわかりやすく伝えることを常に心掛けているが、原稿の締切に追われ、次々に出てくる専門用語に悪戦苦闘する毎日を過ごしている。

▼東日本大震災の一連の報道では普段聞き慣れない用語が飛び交っている。特に原発事故に関するニュースではマイクロ(ミリ)シーベルト、ベクレルといったカタカナの単位が並ぶ。今回初めて意味を知ったという人が多いのでは。だが、聞き慣れない単位が連呼されることで不安感を増幅させている気がしてならない。

▼あらかじめ災害の危険度を想定し、被害範囲を地図化したものが「ハザードマップ」。土砂災害、洪水、津波と種類はさまざまだが、市町村単位で作成作業が進んでいるため自宅や職場に置いてあるという人は多いだろう。

▼一つ疑問なのだが、果たして「ハザードマップ」という用語は一般的に浸透しているのだろうか。日本語で「危険地図」といった方が意味が明快で、わかりやすい。表現が直接的すぎたり、自宅が危険地域に入った場合、必要以上に不安感をあおるという側面もあるが、1000年に一度ともいわれる大災害が現実に起きた以上、常日頃から、どこが危険なのかを今まで以上に意識する必要があるはずだ。

▼いざという時のために危険箇所や避難場所という最も重要な情報を教えてくれる「ハザードマップ」の存在は、地域住民全員が知らなければ意味がない。ちなみに東日本大震災発生後、あわてて我が家の「ハザードマップ」を探したところ、書類置場の下の方から出てきた真新しいパンフレットには「洪水ひなん地図」と書かれていた。(新潟・KK)

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