コラム

2011/04/13

夜空の光に思う(山梨・SA)

    夜空の光に思     う    

▼過日、東日     本大震災の影     響で、東京電     力による計画     停電が実施さ     れた。それによる乗用車の運転は、日中の移動にも注意が必要だが、夜となるとさらに細心の注意が必要だ。消灯中の交差点となれば、お互いの譲り合いでの通行を心がけることが混乱を防ぐ対応策となる

▼先日、夜間に帰社する際、車で走行中に、計画停電のため、周囲の照明が段階的に落ちていくという瞬間に遭遇した。市街地の中心部に向けて、周囲の車も消灯時間が迫っているためか慌ただしく車を走らせていたのだが、突然後方の明るさがルームミラーから失われたのに気づいた。さらに、前方に等間隔で設置されている街灯や、遠くに見えるわずかな信号の明かりも、ほんの数秒のうちに消灯していった

▼計画停電は、わずかな時間ではある。しかし被災地の環境や状況を考えると、普段なに不自由なく過ごせていた日常生活が、いかに幸福であったかというのを改めて実感する

▼さらに、町中が消灯し、ひっそりとした静けさの中、帰宅しようとふと空を見上げると、輝く星空と、月の光の眩しさに気づいた。通常、日常生活で使用する照明が、星の光を奪っていたのかも知れない、それほど美しい空だった。しばらく前に、星空を楽しむため、ライトダウン活動の実施をラジオで聞いたことがある。再度実行してはいかがだろうか

▼我々がひと月前まで当たり前のように感じていた安心・安全な生活基盤が回復するまでには、多くの時間と知恵が必要となるだろう。それは当然の試練だ。ただ、これを克服したとき日本は、有形無形で大きな宝物を得るに違いないと信じている。(山梨・SA)

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