コラム

2011/04/15

新たな一歩を踏み出す(茨城・KK)

新たな一歩を踏み出す

▼新年度が始まって2週間。震災の影響で入学式、入社式が取りやめになった所もあろうが、新社会人も、異動で新しい部署に着任した中堅、ベテランも心機一転、新たな一歩を踏み出す季節である。

▼周囲で禁煙した人が増えている。「思っていたより、ずっと簡単にやめられたよ」と意外(?)な感想が多かった。「始めるのはたやすいが、続けるのは大変だよ」―この際、野暮な台詞は呑み込んで、祝福に努めてはおいたが。

▼「とにかく、やりたくない」―ある仕事を先延ばしにして、くよくよ悩んだり、後ろめたさを感じながら、時間を浪費し、ストレスを溜め込む。しかし、いざその仕事に取りかかったら、拍子抜けするほどあっさり片付いてしまった。誰しもよくある経験だろう。「苦手な仕事。自分には無理」―思い込みこそがブレーキになっているのだろう。

▼「自分は年を取り過ぎている。もう手遅れだ」。何事も早く始めるに越したことはないが、ファーブルが『昆虫記』第1巻を発表したのは56歳の時。最後の第10巻は84歳。伊能忠敬は55歳で日本全国の測量を開始し、71歳で『大日本沿海輿地全図』を完成させた。太平洋戦争終戦時の総理大臣・鈴木貫太郎は77歳2カ月の最高齢で就任。今よりも遥かに平均寿命の短かった時代だ。遅咲きの偉人からは「人間、いくつになっても、新しいことができる」―そんな勇気をもらえる。

▼「?入学?はあっても?卒業?はない。それが外国語学習」。手にしたチラシのキャッチコピーだ。仕事のスキルアップ、第2の人生のための趣味づくりなど、新たな一歩を踏み出すにふさわしい季節の到来である。(茨城・KK)

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