コラム

2011/04/20

問われる個人と企業の姿勢(群馬・HI)

問われる企業と個人の姿勢

▼筆者は、子ども4人を車に乗せて、細い路地から片側2車線の道路を横切ろうと、ステアリングを握り左右を交互に見つめ、注意を払っている。子ども達はそんな気持ちを知ってか知らずか、会話に興じている。4車線の車の流れが途切れた瞬間、アクセルを踏んだ。

▼急発進に車内では子ども達が「おーっ」と騒ぐ。近くの別の路地からも急に車が出てきたため、一瞬アクセルを離すとさらに子どもたちの声が大きくなるが、何とか横断に成功。

▼児童を抱える保護者が登下校時に近くの横断歩道に順番に立ち、児童の安全を見守る「交通当番」。計画停電により信号が消えた3月下旬の朝、交通当番となった筆者は、登校する近所の児童8人を、筆者と妻の車2台に分乗させた。登校に歩道橋のない片側2車線の国道バイパスを横切るルートがあるため、子どもたちの安全を考えて取った対応だ。

▼その前の夜。会社からの帰宅途中、計画停電の暗闇の中、ヘッドライトの明かりを頼りに車を走らせていると、目の前の信号が急に赤く点灯。反射的にブレーキを踏んだが急ブレーキを避けるため、徐行して通過。何の前触れもない通電で結果的には信号無視。後味の悪さが残った。

▼病院の電気も止められ、人の命が脅かされたり、信号の消灯で、子ども達が安全に登下校できなくなるような事態を引き起こす計画停電は、可能な限り避けたい。今夏、電気の供給はピーク時の需要に追いつかないと見られ、政府はオイルショック時の1974年以来となる電気事業法に基づく電力使用制限令を発令する。このとき企業と個人の姿勢が問われる。(群馬・HI)

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