コラム

2011/04/22

早急な復興を星空に祈る(茨城・MK)

早急な復興を星空に祈る

▼福島第一原発の事故で避難されている人や自宅に留まっている方を見て、1999年に東海村で起こったJCO臨界事故を思い出した。事故発生後、10?圏内は「屋内退避」とされ、筆者も退避を余儀なくされた。不安な気持ちでテレビの情報に耳を傾けていた記憶がある。

▼当時は一日で退避は解除されたが、周囲からいろいろと言われた。心配をしてくれた人、興味本位で状況を聞いてくる人、風評に基づき心ない言葉を浴びせた人。今回被災された方に比べれば申し訳ない程度だが、被害に遭った気持ちは当事者でなければ分からないのかもしれない。

▼筆者は、今回の大震災でも日常生活で支障を体験した。震災から3日間は停電。水道は10日間出なかった。ガソリンスタンドにも長時間、並んだ。しかし、水や食べ物を分けてくださった方、お風呂の手配をしてくれた方、温かい言葉を掛けてくれた方を忘れないようにしたい。

▼非常事態の中、インフラの応急復旧に携わったのは役所の担当者をはじめ建設業関係の方である。自宅や会社が被害に遭っているにもかかわらず復旧活動を優先した方もいた。感謝以外に言葉はない。ただ、復旧を早く進めたいのに、人手や重機、ガソリンが足りず、忸怩(じくじ)たる思いをしたという。建設事業激減の影響で出動できる業者が減ってしまった結果という声もある。

▼地震発生の夜、辿りついた自宅から見上げた空には、満天の星が輝いていた。地上では大震災が起こり、さまざまな人間模様が描かれている。しかし天空の星は変わらずに輝く。その星空に一日も早い復興を祈らずにはいられなかった。(茨城・MK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら