コラム

2011/04/28

古くても役に立つもの(東京・IJ)

古くても役に立つもの

▼東日本大震災の際、都内でも郊外にある実家は停電になった。携帯電話は混雑で通じず、FAX付き固定電話も電力がとれずに使えない。そこで父親は、押入れの奥にしまっていたダイヤル式電話を引っ張りだして電話線をつなぎ、家族に連絡した。平成もすでに20年以上過ぎた現代で、今だにダイヤル式電話を残していたことに驚く。

▼家電製品の進化はめざましい。携帯電話はスマートフォンが増え、最近はそれを拡大したような端末機器「ipad」などもある。通勤電車の中、画面上で指をスライドさせてマンガを読むサラリーマンの姿も珍しくない。中には小型DVDプレーヤーで映画を鑑賞する者もいる。

▼我が家では、ようやくテレビを地デジ対応に変えた。特筆すべきはやはり画質だろう。美しい映像には目を奪われる。またアナログ時代にはわからなかった美人女優たちのシワの多さにも目を見張る。ボタンひとつで天気予報やニュースが確認でき、小学生の息子はデータ放送の画面を出したり消したりして遊んでいる。

▼新しいテレビを以前からのビデオデッキにつないで録画してみる。するとアナログ放送しか録画できない。当然と思うだろうが、家電オンチの筆者は「テレビが地デジだから録画も地デジ」と思い込んでいた。電話と違い、古いビデオは録画ができない。これも買い替えが必要だ。

▼首都圏の地震に備えてポケットラジオを購入しようと家電店に行くと、ラジオがない。別の店にもない。安いものも高いものも品切れである。「もしや」と思い、父親に連絡すると「古いポケットラジオならあるぞ」予想通り、持っていた。(東京・JI)

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